2010年07月07日
美蔓貯水池の欺瞞(13)架空の水需要と受益者負担
6月21日に日本森林生態系保護ネットワークが、美蔓地区のかんがい事業の中止と、天然林伐採の中止を求め、農林水産省と林野庁に申入れに行ったのですが、広島フィールドミュージアムを主宰される金井塚さんが、その報告記事をご自身のブログで取り上げています。提出した要望書もアップされています。
日本森林生態系保護ネットワーク、農水省・林野庁へ要望書提出(その1)
金井塚務さんがこの記事で鋭く指摘しているのは、賦課金(受益者負担)の問題です。というのも、金井塚さんは広島の大規模林道問題で、受益者賦課金の公的助成が違法であるとして裁判をしているのですが、美蔓のかんがい事業ではこれと同じ構図になっているのです。
すなわち、農家が負担すべき受益者負担を市町村が肩代わりしてしまう、つまり農家はなんらお金を負担しないがために、水を使うつもりなどなくても事業主体の求めに応じて受益者として契約書に判を押してしまうという構図があります。これによって架空の水需要がつくりだされてしまうのです。そして、必要もない事業に巨額の税金が投じられ、自然が破壊されることになります。農家が実際に受益者負担をするという条件であれば、果たして何件の農家が受益者として契約したのでしょうか? それが知りたいところですね。こうした水増しは、基本高水流量を過大な数値にすることでダムや河川整備を正当化する国土交通省のやり方とよく似ています。
国に自治体が肩代わりする賦課金のことを質すと、自治体と農家のことだから国は関係ないと逃げてしまったそうです。十勝自然保護協会が北海道開発局帯広開発建設部と話し合いをした時には、はじめは農家にも受益者負担があると説明していました。ところが後にその発言を反故にして、何くわぬ顔をして受益者負担は市町村が支払うと言い始めました。そこで、それはおかしいのではないかと質すと、それは自治体の判断だから自分たちには関係ないと責任転嫁をしてしまったのです。
でも本当に関係ないのでしょうか? 開発建設部の職員が農家と契約をするときに、「受益者負担は市町村が支払うから農家は負担しなくていい」という説明をしなかったとでもいうのでしょうか? まさか、そんなことはないでしょう。ならば、地元市町村の受益者負担肩代わりを利用した開発に責任がないはずがありません。「関係ない」で済まされることではないのです。
利用しておきながら、市町村に責任転嫁するとはどういうことでしょう。架空の水需要に基づく事業であっても、国はその水需要について検証する必要もないし、関知しないといっているのと同然です。これは無責任にすぎます。この無責任さを追求するとともに、架空の水需要を生み出すためのこのカラクリこそ、何とかしなければなりません。
これと同じようなことは、他のかんがい事業などでも行われているのではないでしょうか。市民が知らないだけで。
広島のように、受益地になっている町の住民が受益者負担の違法性を主張して住民監査請求をするなどの方法があるのですが、おそらく多くの市民は架空の水需要を生み出すカラクリも、住民監査請求という方法も知らないのだと思います。私は受益地の市町村に住んでいないので、住民監査請求をすることができないのですが・・・。
日本森林生態系保護ネットワーク、農水省・林野庁へ要望書提出(その1)
金井塚務さんがこの記事で鋭く指摘しているのは、賦課金(受益者負担)の問題です。というのも、金井塚さんは広島の大規模林道問題で、受益者賦課金の公的助成が違法であるとして裁判をしているのですが、美蔓のかんがい事業ではこれと同じ構図になっているのです。
すなわち、農家が負担すべき受益者負担を市町村が肩代わりしてしまう、つまり農家はなんらお金を負担しないがために、水を使うつもりなどなくても事業主体の求めに応じて受益者として契約書に判を押してしまうという構図があります。これによって架空の水需要がつくりだされてしまうのです。そして、必要もない事業に巨額の税金が投じられ、自然が破壊されることになります。農家が実際に受益者負担をするという条件であれば、果たして何件の農家が受益者として契約したのでしょうか? それが知りたいところですね。こうした水増しは、基本高水流量を過大な数値にすることでダムや河川整備を正当化する国土交通省のやり方とよく似ています。
国に自治体が肩代わりする賦課金のことを質すと、自治体と農家のことだから国は関係ないと逃げてしまったそうです。十勝自然保護協会が北海道開発局帯広開発建設部と話し合いをした時には、はじめは農家にも受益者負担があると説明していました。ところが後にその発言を反故にして、何くわぬ顔をして受益者負担は市町村が支払うと言い始めました。そこで、それはおかしいのではないかと質すと、それは自治体の判断だから自分たちには関係ないと責任転嫁をしてしまったのです。
でも本当に関係ないのでしょうか? 開発建設部の職員が農家と契約をするときに、「受益者負担は市町村が支払うから農家は負担しなくていい」という説明をしなかったとでもいうのでしょうか? まさか、そんなことはないでしょう。ならば、地元市町村の受益者負担肩代わりを利用した開発に責任がないはずがありません。「関係ない」で済まされることではないのです。
利用しておきながら、市町村に責任転嫁するとはどういうことでしょう。架空の水需要に基づく事業であっても、国はその水需要について検証する必要もないし、関知しないといっているのと同然です。これは無責任にすぎます。この無責任さを追求するとともに、架空の水需要を生み出すためのこのカラクリこそ、何とかしなければなりません。
これと同じようなことは、他のかんがい事業などでも行われているのではないでしょうか。市民が知らないだけで。
広島のように、受益地になっている町の住民が受益者負担の違法性を主張して住民監査請求をするなどの方法があるのですが、おそらく多くの市民は架空の水需要を生み出すカラクリも、住民監査請求という方法も知らないのだと思います。私は受益地の市町村に住んでいないので、住民監査請求をすることができないのですが・・・。
2010年07月02日
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その3)
これまでの記事
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その1)
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その2)
高杉晋吾著「谷間の虚構」の弟三章「闇の中の人々」では、満州事変、朝鮮戦争にまでさかのぼる、政・官・財のダム利権の構図に迫ります。
朝鮮と満州の国境に建設された巨大な鴨緑江ダムは、朝鮮窒素肥料(後の水俣病のチッソ)への電力供給のために造られたといいます。この工事を請け負ったのが間組と西松建設。植民地でタダ同然の強制労働によって鴨緑江ダムを建設し、朝鮮窒素肥料が大儲けをしたそうです。この鴨緑江ダムに目をつけたのが岸信介と東条英機。二人は「朝鮮水力電気」という国策会社をつくり、軍事産業のための発電ダム開発を進めました。この鴨緑江ダム建設に関わった坂西徳太郎氏が、後に建設省の役人となって、八ッ場ダムに派遣されたという歴史があります。
その後、八ッ場ダムをめぐっての福田赳夫と中曽根康弘の確執、そして反対運動つぶし、談合など、生々しい利権の構図が語られています。
もう一つ、指摘しなければならないのは揚水ダムについてです。上池と下池の二つの貯水池をつくり、下池から上池に水をポンプアップして発電するというシステムです。水を低いところから高いところに汲みあげるのに電力を使うのですから、ちょっと考えただけで、赤字発電になることがわかります。では、なぜこのような赤字発電所を造るのでしょうか?
それは原子力発電と一体のものだからです。原発で余ってしまう夜間電力を下池から上池へのポンプアップに使い、電力の需要が一時的に増加したピーク発電時などに使うというものです。原発がなければ必要がないダムですし、猛暑でクーラーの使用が急増したなど、稀に生じる電力不足に対応するだけの無駄なダムです。これが山の中に100基(50組)も造られているといいます。
猛暑で電力が不足するといっても、一人ひとりが暑さをちょっと我慢してクーラーの設定温度を下げれば解消することでしょう。こうしたことからも、はじめにダムありき、はじめに原発ありきの実態が見えてきます。
こうしてみると、戦後のダムの多くが利権構造のなかにすっぽりとはまり込んで、金儲けの温床となっていたことが明瞭に見えてきます。国民の血税を惜しみなく投入しているダム建設は、決して国民の方などには向いておらず、ひたすら政・官・財のためにあったといえるでしょう。もちろんこれは八ッ場ダムに限らず、この国の大半のダムに共通することです。
八ッ場ダムをめぐる闇の世界について詳しく知りたい方は、是非本書をお読みになることをお勧めします。
なお、本書を書かれた高杉晋吾さんは1933年のお生まれですが、真実を追い求め、権力におもねらずに取材・執筆活動をされてきた反骨のジャーナリストです。
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その1)
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その2)
高杉晋吾著「谷間の虚構」の弟三章「闇の中の人々」では、満州事変、朝鮮戦争にまでさかのぼる、政・官・財のダム利権の構図に迫ります。
朝鮮と満州の国境に建設された巨大な鴨緑江ダムは、朝鮮窒素肥料(後の水俣病のチッソ)への電力供給のために造られたといいます。この工事を請け負ったのが間組と西松建設。植民地でタダ同然の強制労働によって鴨緑江ダムを建設し、朝鮮窒素肥料が大儲けをしたそうです。この鴨緑江ダムに目をつけたのが岸信介と東条英機。二人は「朝鮮水力電気」という国策会社をつくり、軍事産業のための発電ダム開発を進めました。この鴨緑江ダム建設に関わった坂西徳太郎氏が、後に建設省の役人となって、八ッ場ダムに派遣されたという歴史があります。
その後、八ッ場ダムをめぐっての福田赳夫と中曽根康弘の確執、そして反対運動つぶし、談合など、生々しい利権の構図が語られています。
もう一つ、指摘しなければならないのは揚水ダムについてです。上池と下池の二つの貯水池をつくり、下池から上池に水をポンプアップして発電するというシステムです。水を低いところから高いところに汲みあげるのに電力を使うのですから、ちょっと考えただけで、赤字発電になることがわかります。では、なぜこのような赤字発電所を造るのでしょうか?
それは原子力発電と一体のものだからです。原発で余ってしまう夜間電力を下池から上池へのポンプアップに使い、電力の需要が一時的に増加したピーク発電時などに使うというものです。原発がなければ必要がないダムですし、猛暑でクーラーの使用が急増したなど、稀に生じる電力不足に対応するだけの無駄なダムです。これが山の中に100基(50組)も造られているといいます。
猛暑で電力が不足するといっても、一人ひとりが暑さをちょっと我慢してクーラーの設定温度を下げれば解消することでしょう。こうしたことからも、はじめにダムありき、はじめに原発ありきの実態が見えてきます。
こうしてみると、戦後のダムの多くが利権構造のなかにすっぽりとはまり込んで、金儲けの温床となっていたことが明瞭に見えてきます。国民の血税を惜しみなく投入しているダム建設は、決して国民の方などには向いておらず、ひたすら政・官・財のためにあったといえるでしょう。もちろんこれは八ッ場ダムに限らず、この国の大半のダムに共通することです。
八ッ場ダムをめぐる闇の世界について詳しく知りたい方は、是非本書をお読みになることをお勧めします。
なお、本書を書かれた高杉晋吾さんは1933年のお生まれですが、真実を追い求め、権力におもねらずに取材・執筆活動をされてきた反骨のジャーナリストです。
2010年07月01日
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その2)
前回の記事
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その1)
前回の記事の続きです。今回は、高杉晋吾著「谷間の虚構」に描かれている八ッ場ダムの地質問題について紹介します。八ッ場ダムの地すべり問題については私も以前、以下の記事に書きましたので、ここでは省きます。
八ッ場ダムの地すべり問題
地質問題について書かれた「第二章 揺れる地盤」でもっとも驚くべきことは、「ダムを造ってはならない脆弱な地質」であることを建設主体である国が認識していながら虚偽の説明を行っていたということです。少し長くなりますが、本書に引用されている1970年6月10日の衆議院地方行政委員会の議事録から問題部分を紹介します。この発言は、文化庁の内山正説明員のものです。
「・・・その結果、昨年の十二月に上流サイトの地質調査が行われたようでございまして、その結果が本年の三月の初めに文化庁に提出されました。その結果によりますと、その地点は地質が非常に熱水変質を受けておる部分が多い。地表でもそれが数カ所見られるし、またボーリングをいたしました地下の深いところでも二カ所ほど見られるということでございまして、このことは川原湯温泉に続くいわゆる熱変質をした地質がずっと続いているものと考えられるということで、ダムの基礎地盤としてはきわめて不安定であるということでございます。それからもう一点は、かりにダムを造りました場合の一番力のかかります下流端と申しますか、その付近に河床を横断する三メートル幅の岩の断層があるということで、これもダムの一番力のかかる部分にそういう断層があるということはダムが非常に不安定である、不安であるということであります。それから全体としまして岩盤に節理が非常に多いということで、これもダム建設、しかも大型ダムの建設場所としてはきわめて不安な状況であるということで、総じましてこの上流サイトに実地調査をいたしました結果については、この種のダムを建設する場所としては非常に不安な地形であるということがわかったということでございます」
この記述、すごいですね。国が自ら「ここはとても危険だからダムを造ってはいけない」と言っていると同然です。
ところが、2009年に東京の石原慎太郎知事や埼玉の上田清知事が現地を視察した際、担当技官はガンガンを叩いて「このとおり岩は硬い。だから八ッ場ダムは、これ以上ないほど安全な岩盤の上に建てられる」と説明したそうです。こうやって事実を隠ぺいし、国民を欺いてきたわけです。
ダムの堤体自体は水圧などに十分耐えられる構造になっているのでしょうけれど、それを支える地盤が脆弱であれば堤体の強度など意味がありません。もしダムが決壊したなら、とんでもない大災害が待ち受けています。その責任はだれがとるのでしょうか。いえいえ、責任などとれないでしょう。造らないことこそ国の責任です。
もう一つ、ダムが地震を誘発するという事実があるということも本書で知りました。地下の活断層の断層面に地下水が浸透すると、地震が発生することがわかっており、ダムによって地震が発生しやすい環境になる可能性があります。脆弱な地質に加えて地震となれば、ダム決壊の懸念が現実味を帯びてきます。
最後に、地下水の問題についても触れておきたいと思います。東京駅などでは地下水が上昇しており、駅が地下水によって浮かないように対策に苦慮していうということは知っていましたが、首都圏などでは地下水位の上昇による影響が深刻になっています。これはかつて地下水の汲み上げによって地盤沈下が生じ、地下水の利用を放棄したために生じている現象です。
ところで、地下水放棄をしたのと同じ年である1955年に、関東で猛烈なダム開発ラッシュが生じたそうです。そこには、地盤沈下を理由に、ゼネコンと政治家が手を組んでダムの推進へと政策を転換させたという背景があります。しかし、今では上昇した地下水位によって、首都圏の建物は危機にさらされています。
首都圏の地下水位の上昇問題については以下のサイトなどを参照してください。恐ろしいことになっています。
No.059東京水没
上野駅はすでに水没しています-東京駅も
ダムの必要性の根拠の一つとなっている水需要も過大に見積もられており、予測に対する実績はおよそ半分程度といいます。水需要予測などというのも絵空事でしかありません。基本高水流量が過大になっているのと同じ構図です。
絵空事の水需要予測によって水道料金にダムの建設費を上乗せられ、高くて塩素臭のするまずい水を飲まされるのは、首都圏に住む人たちです。
(つづく)
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その1)
前回の記事の続きです。今回は、高杉晋吾著「谷間の虚構」に描かれている八ッ場ダムの地質問題について紹介します。八ッ場ダムの地すべり問題については私も以前、以下の記事に書きましたので、ここでは省きます。
八ッ場ダムの地すべり問題
地質問題について書かれた「第二章 揺れる地盤」でもっとも驚くべきことは、「ダムを造ってはならない脆弱な地質」であることを建設主体である国が認識していながら虚偽の説明を行っていたということです。少し長くなりますが、本書に引用されている1970年6月10日の衆議院地方行政委員会の議事録から問題部分を紹介します。この発言は、文化庁の内山正説明員のものです。
「・・・その結果、昨年の十二月に上流サイトの地質調査が行われたようでございまして、その結果が本年の三月の初めに文化庁に提出されました。その結果によりますと、その地点は地質が非常に熱水変質を受けておる部分が多い。地表でもそれが数カ所見られるし、またボーリングをいたしました地下の深いところでも二カ所ほど見られるということでございまして、このことは川原湯温泉に続くいわゆる熱変質をした地質がずっと続いているものと考えられるということで、ダムの基礎地盤としてはきわめて不安定であるということでございます。それからもう一点は、かりにダムを造りました場合の一番力のかかります下流端と申しますか、その付近に河床を横断する三メートル幅の岩の断層があるということで、これもダムの一番力のかかる部分にそういう断層があるということはダムが非常に不安定である、不安であるということであります。それから全体としまして岩盤に節理が非常に多いということで、これもダム建設、しかも大型ダムの建設場所としてはきわめて不安な状況であるということで、総じましてこの上流サイトに実地調査をいたしました結果については、この種のダムを建設する場所としては非常に不安な地形であるということがわかったということでございます」
この記述、すごいですね。国が自ら「ここはとても危険だからダムを造ってはいけない」と言っていると同然です。
ところが、2009年に東京の石原慎太郎知事や埼玉の上田清知事が現地を視察した際、担当技官はガンガンを叩いて「このとおり岩は硬い。だから八ッ場ダムは、これ以上ないほど安全な岩盤の上に建てられる」と説明したそうです。こうやって事実を隠ぺいし、国民を欺いてきたわけです。
ダムの堤体自体は水圧などに十分耐えられる構造になっているのでしょうけれど、それを支える地盤が脆弱であれば堤体の強度など意味がありません。もしダムが決壊したなら、とんでもない大災害が待ち受けています。その責任はだれがとるのでしょうか。いえいえ、責任などとれないでしょう。造らないことこそ国の責任です。
もう一つ、ダムが地震を誘発するという事実があるということも本書で知りました。地下の活断層の断層面に地下水が浸透すると、地震が発生することがわかっており、ダムによって地震が発生しやすい環境になる可能性があります。脆弱な地質に加えて地震となれば、ダム決壊の懸念が現実味を帯びてきます。
最後に、地下水の問題についても触れておきたいと思います。東京駅などでは地下水が上昇しており、駅が地下水によって浮かないように対策に苦慮していうということは知っていましたが、首都圏などでは地下水位の上昇による影響が深刻になっています。これはかつて地下水の汲み上げによって地盤沈下が生じ、地下水の利用を放棄したために生じている現象です。
ところで、地下水放棄をしたのと同じ年である1955年に、関東で猛烈なダム開発ラッシュが生じたそうです。そこには、地盤沈下を理由に、ゼネコンと政治家が手を組んでダムの推進へと政策を転換させたという背景があります。しかし、今では上昇した地下水位によって、首都圏の建物は危機にさらされています。
首都圏の地下水位の上昇問題については以下のサイトなどを参照してください。恐ろしいことになっています。
No.059東京水没
上野駅はすでに水没しています-東京駅も
ダムの必要性の根拠の一つとなっている水需要も過大に見積もられており、予測に対する実績はおよそ半分程度といいます。水需要予測などというのも絵空事でしかありません。基本高水流量が過大になっているのと同じ構図です。
絵空事の水需要予測によって水道料金にダムの建設費を上乗せられ、高くて塩素臭のするまずい水を飲まされるのは、首都圏に住む人たちです。
(つづく)
2010年06月29日
八ッ場ダムの真相に迫る「谷間の虚構」(その1)
先日、高杉晋吾さんの「谷間の虚構 真相・日本の貌(かお)と八ッ場ダム」(三五館)を読了しました。
マスコミが沈黙する八ッ場ダムのヒ素問題や地滑り問題について、長年にわたって取材し追及してきたのが、ジャーナリストの高杉晋吾さんです。この5月に出版された高杉さんの著書「谷間の虚構」は、これまでの高杉さんの取材の集大成ともいえるもので、ヒ素と水質問題、地質問題、そして八ッ場ダムの歴史から政官業の癒着と利権構造までを浮き彫りにし、八ッ場ダムの真相に迫っています。
八ッ場ダムのヒ素問題については、高杉さんの書かれた週刊金曜日の記事をもとに以前もこのブログで取り上げました。以下をご覧ください。高杉さんはこのことを2008年後半に記者会見で明らかにしたそうですが、マスコミは一切調査しようとせず、報道もしなかったとのことです。取り上げたのは、週刊金曜日くらいしかなかったのでしょう。
八ッ場ダムのヒ素問題
実は、この記事を書いたとき、私は中和システムなるものについて具体的なことは分かりませんでした。品木ダムに堆積したヒ素を含む中和堆積物をどのように処分しているのかもよく知らなかったのです。しかし、本書にはその恐るべき実態が赤裸々に描かれています。
八ッ場ダムを建設するためには、強酸性の水を中和させなければなりません。そのままではダムのコンクリートや鉄が腐食して崩壊する危険性があるからです。そこで造られたのが中和システムです。白砂川(吾妻川の支流)に流れ込む湯川・大沢川・谷沢川の酸性水は、中和工場で石灰によって中和され、品木ダムに沈澱します。その中和生成物を浚渫してセメントで固化し、ダム湖周辺の3カ所の処分場に埋めています(そのうちの2つはすでに満杯)。中和に使われる石灰の量は一日60トン!
問題は、草津の万代鉱から流出するヒ素が湯川に入りこみ、それが石灰で中和されて中和生成物となって品木ダムに溜まることにあります。そのヒ素の量は、年間50トンというとんでもない量です。
ヒ素は一般的にヒ酸鉄という形で水中に沈澱しており、そのままでは危険性はないそうです。つまり、草津温泉に入っても問題はありません。ところが、中和工場で石灰と混ぜると、加水分解して水溶性のヒ酸塩になってしまう。このヒ酸塩の含まれた中和生成物、すなわち品木ダムにたまった汚泥をアルカリ性のセメントで固めると、ヒ素は水に溶けることになります。
セメントで固めた中和生成物というと、カチカチに固化したものというイメージがありますが、そうではなく粒状化しているだけとのこと。しかも、本来なら樹脂シートと排水処理施設の必要な管理型処分場で処理しなければならないのに、実態は素掘りの穴に投棄しているのです。山野にヒ素を垂れ流ししているも同然です。さらに微生物が多量に存在する処分場にヒ素を廃棄したなら、毒ガスを発生させることにもなりかねないと専門家は警告します。
一方、ダム湖には中和生成物が溜まる一方です。というのは、ダム湖に溜まった中和生成物を完全に浚渫するためには年間約3億円かかるそうですが、実際には1億円の費用しか出ていません。そして、上智大学の木川田教授によると、ダムの外にも年間3トンほどのヒ素が流出しているとのこと。このことは、「国交省がひた隠しにする八ッ場ダムのヒ素問題」で紹介した保坂展人さんの以下の記事でも取り上げられています。
スクープ「八ッ場ダム最大のタブー、ヒ素汚染問題」
品木ダムの中和生成物の処分場は、高杉さんの表現によると「数十万トンの中和生成物の埋立処分場。湯川の品木ダムへの流入口、下から仰ぎ見ると品木ダム湖の西南端の直上に覆いかぶさるような急こう配で汚泥の山が築きあげられている」とのこと。大雨や地震、火山の噴火などでこの汚泥の山が崩壊したなら、そして品木ダムの堤体が崩壊したなら、ヒ素に汚染された大量の汚泥が下流の利根川を駆け下り、途中から武蔵水路を通って荒川下流にまで流れ下ることにもなりかねません。
また、八ッ場ダムに水を貯めるために発電に利用している酸性水を吾妻川に戻したなら、八ッ場ダムは鉄やコンクリートを腐食させる酸性水になってしまうということについても、詳しく説明されています。中和システムなど意味がないばかりか、有害で危険なものでしかありません。
この八ッ場ダムのヒ素問題について、いったいどれほどのマスコミが問題にしてきたのでしょうか。ちなみに「八ッ場ダム ヒ素」でネット検索したら、なんと私のブログ記事や保坂さんのブログ記事が上位に出てくる有様です。マスメディアで取り上げているのは、ヒ素を含む中和生成物の不法投棄を問題にした2010年4月22日の朝日の以下の記事くらい。
国交省、ヒ素汚泥を投棄 八ッ場ダム上流の素掘り処分場
この危険きわまりないヒ素問題について、政・官・マスコミがこぞってひた隠しにしていることこそ恐るべきことでしょう。永遠に排出される無害な状態のヒ素を、大量の石灰で中和して毒物と化して山中に不法投棄し、品木ダムに貯め込んで下流部にもヒ素を垂れ流ししつづけることの危険さ、愚かしさ・・・。まさに中和システムは破たんしています。
(つづく)
マスコミが沈黙する八ッ場ダムのヒ素問題や地滑り問題について、長年にわたって取材し追及してきたのが、ジャーナリストの高杉晋吾さんです。この5月に出版された高杉さんの著書「谷間の虚構」は、これまでの高杉さんの取材の集大成ともいえるもので、ヒ素と水質問題、地質問題、そして八ッ場ダムの歴史から政官業の癒着と利権構造までを浮き彫りにし、八ッ場ダムの真相に迫っています。
八ッ場ダムのヒ素問題については、高杉さんの書かれた週刊金曜日の記事をもとに以前もこのブログで取り上げました。以下をご覧ください。高杉さんはこのことを2008年後半に記者会見で明らかにしたそうですが、マスコミは一切調査しようとせず、報道もしなかったとのことです。取り上げたのは、週刊金曜日くらいしかなかったのでしょう。
八ッ場ダムのヒ素問題
実は、この記事を書いたとき、私は中和システムなるものについて具体的なことは分かりませんでした。品木ダムに堆積したヒ素を含む中和堆積物をどのように処分しているのかもよく知らなかったのです。しかし、本書にはその恐るべき実態が赤裸々に描かれています。
八ッ場ダムを建設するためには、強酸性の水を中和させなければなりません。そのままではダムのコンクリートや鉄が腐食して崩壊する危険性があるからです。そこで造られたのが中和システムです。白砂川(吾妻川の支流)に流れ込む湯川・大沢川・谷沢川の酸性水は、中和工場で石灰によって中和され、品木ダムに沈澱します。その中和生成物を浚渫してセメントで固化し、ダム湖周辺の3カ所の処分場に埋めています(そのうちの2つはすでに満杯)。中和に使われる石灰の量は一日60トン!
問題は、草津の万代鉱から流出するヒ素が湯川に入りこみ、それが石灰で中和されて中和生成物となって品木ダムに溜まることにあります。そのヒ素の量は、年間50トンというとんでもない量です。
ヒ素は一般的にヒ酸鉄という形で水中に沈澱しており、そのままでは危険性はないそうです。つまり、草津温泉に入っても問題はありません。ところが、中和工場で石灰と混ぜると、加水分解して水溶性のヒ酸塩になってしまう。このヒ酸塩の含まれた中和生成物、すなわち品木ダムにたまった汚泥をアルカリ性のセメントで固めると、ヒ素は水に溶けることになります。
セメントで固めた中和生成物というと、カチカチに固化したものというイメージがありますが、そうではなく粒状化しているだけとのこと。しかも、本来なら樹脂シートと排水処理施設の必要な管理型処分場で処理しなければならないのに、実態は素掘りの穴に投棄しているのです。山野にヒ素を垂れ流ししているも同然です。さらに微生物が多量に存在する処分場にヒ素を廃棄したなら、毒ガスを発生させることにもなりかねないと専門家は警告します。
一方、ダム湖には中和生成物が溜まる一方です。というのは、ダム湖に溜まった中和生成物を完全に浚渫するためには年間約3億円かかるそうですが、実際には1億円の費用しか出ていません。そして、上智大学の木川田教授によると、ダムの外にも年間3トンほどのヒ素が流出しているとのこと。このことは、「国交省がひた隠しにする八ッ場ダムのヒ素問題」で紹介した保坂展人さんの以下の記事でも取り上げられています。
スクープ「八ッ場ダム最大のタブー、ヒ素汚染問題」
品木ダムの中和生成物の処分場は、高杉さんの表現によると「数十万トンの中和生成物の埋立処分場。湯川の品木ダムへの流入口、下から仰ぎ見ると品木ダム湖の西南端の直上に覆いかぶさるような急こう配で汚泥の山が築きあげられている」とのこと。大雨や地震、火山の噴火などでこの汚泥の山が崩壊したなら、そして品木ダムの堤体が崩壊したなら、ヒ素に汚染された大量の汚泥が下流の利根川を駆け下り、途中から武蔵水路を通って荒川下流にまで流れ下ることにもなりかねません。
また、八ッ場ダムに水を貯めるために発電に利用している酸性水を吾妻川に戻したなら、八ッ場ダムは鉄やコンクリートを腐食させる酸性水になってしまうということについても、詳しく説明されています。中和システムなど意味がないばかりか、有害で危険なものでしかありません。
この八ッ場ダムのヒ素問題について、いったいどれほどのマスコミが問題にしてきたのでしょうか。ちなみに「八ッ場ダム ヒ素」でネット検索したら、なんと私のブログ記事や保坂さんのブログ記事が上位に出てくる有様です。マスメディアで取り上げているのは、ヒ素を含む中和生成物の不法投棄を問題にした2010年4月22日の朝日の以下の記事くらい。
国交省、ヒ素汚泥を投棄 八ッ場ダム上流の素掘り処分場
この危険きわまりないヒ素問題について、政・官・マスコミがこぞってひた隠しにしていることこそ恐るべきことでしょう。永遠に排出される無害な状態のヒ素を、大量の石灰で中和して毒物と化して山中に不法投棄し、品木ダムに貯め込んで下流部にもヒ素を垂れ流ししつづけることの危険さ、愚かしさ・・・。まさに中和システムは破たんしています。
(つづく)
2010年06月28日
ダム問題の今後
今日の北海道新聞「月曜考」で、水源開発問題全国連絡会(水源連)共同代表の嶋津暉之さんへのインタビュー記事が掲載されていました。
昨年の政権交代では、民主党の無駄な公共事業の削減の掛け声とともに全国のダムの見直しが行われましたが、八ッ場ダムでは中止に反対する人たちの大きな抵抗にあっています。では、全国のダムの状況はその後どうなっているのでしょうか。嶋津さんは、全国で実施されている143基のダム事業のうち、とりあえず工事がと止まったのは平取ダム、サンルダムを含め6基だけだといいます。止まったといっても凍結状態で、中止が決まったわけではありません。はじめの掛け声はよかったのですが、実際にはダム中止はかなり苦戦しているという状況です。
そして、国土交通省の有識者会議のメンバーというのがこれまた疑問。本気でダムを止めるつもりがあるのなら、こういう人選はしないだろうというメンバーになっています。嶋津さんはこれについて次のように言います。
「有識者会議のめメンバーの中には明らかにダム推進派の人がいます。私たちと同じ立場の人も選ばれるものと思っていたら、誰にも声が掛からなかった。そんな会議で、ダム事業を止める具体的な基準ができるものなのか。見直した結果、やっぱりダムは必要という結論になる可能性もあるのです。自民党政権がつくった計画に民主党政権がお墨付きを与えたら、今度は大手を振ってダムがつくられていく。こうなっては、ダム反対運動にとって暗黒時代です」
そうですね。昨年の政権交代時のあの勢いはどうなっちゃったんでしょうか。有識者会議のメンバーがダム建設にゴーサインを出してしまったら、ダムを推し進めてきた自民党となんら変わりはありません。本当に安心できない状況です。
嶋津さんはこんなことも言っています。
「ダムに頼る治水計画は私に言わせればギャンブルに等しい」「河川改修を進めることで、もっと安上がりで効果的な治水対策は可能です」「節水技術の進歩と人口減少を考えると、今後は水不足ではなく水余りの時代になります」
確かにダムによる治水など危ういギャンブルでしかないでしょう。洪水が頻発する河川の場合は、ダムではなく河川改修などで対応するというのはもっともでしょう。しかし川というのは本来、たまに襲う集中豪雨などによって氾濫するものなのです。氾濫によって肥沃な土壌が運ばれるのです。川は氾濫するのだという認識のもとに、万一氾濫した場合に被害を最小限に抑える対策をたて、洪水とうまくつきあっていくという考え方も必要です。所詮、人間の手で洪水を抑え込もうなどというのは驕りでしかありません。
結局、治水・利水などといっても、国民のためにダムをつくるのではなく、税金で甘い汁を吸いたい人たちのために造るのです。
昨年の政権交代では、民主党の無駄な公共事業の削減の掛け声とともに全国のダムの見直しが行われましたが、八ッ場ダムでは中止に反対する人たちの大きな抵抗にあっています。では、全国のダムの状況はその後どうなっているのでしょうか。嶋津さんは、全国で実施されている143基のダム事業のうち、とりあえず工事がと止まったのは平取ダム、サンルダムを含め6基だけだといいます。止まったといっても凍結状態で、中止が決まったわけではありません。はじめの掛け声はよかったのですが、実際にはダム中止はかなり苦戦しているという状況です。
そして、国土交通省の有識者会議のメンバーというのがこれまた疑問。本気でダムを止めるつもりがあるのなら、こういう人選はしないだろうというメンバーになっています。嶋津さんはこれについて次のように言います。
「有識者会議のめメンバーの中には明らかにダム推進派の人がいます。私たちと同じ立場の人も選ばれるものと思っていたら、誰にも声が掛からなかった。そんな会議で、ダム事業を止める具体的な基準ができるものなのか。見直した結果、やっぱりダムは必要という結論になる可能性もあるのです。自民党政権がつくった計画に民主党政権がお墨付きを与えたら、今度は大手を振ってダムがつくられていく。こうなっては、ダム反対運動にとって暗黒時代です」
そうですね。昨年の政権交代時のあの勢いはどうなっちゃったんでしょうか。有識者会議のメンバーがダム建設にゴーサインを出してしまったら、ダムを推し進めてきた自民党となんら変わりはありません。本当に安心できない状況です。
嶋津さんはこんなことも言っています。
「ダムに頼る治水計画は私に言わせればギャンブルに等しい」「河川改修を進めることで、もっと安上がりで効果的な治水対策は可能です」「節水技術の進歩と人口減少を考えると、今後は水不足ではなく水余りの時代になります」
確かにダムによる治水など危ういギャンブルでしかないでしょう。洪水が頻発する河川の場合は、ダムではなく河川改修などで対応するというのはもっともでしょう。しかし川というのは本来、たまに襲う集中豪雨などによって氾濫するものなのです。氾濫によって肥沃な土壌が運ばれるのです。川は氾濫するのだという認識のもとに、万一氾濫した場合に被害を最小限に抑える対策をたて、洪水とうまくつきあっていくという考え方も必要です。所詮、人間の手で洪水を抑え込もうなどというのは驕りでしかありません。
結局、治水・利水などといっても、国民のためにダムをつくるのではなく、税金で甘い汁を吸いたい人たちのために造るのです。
2010年06月23日
美蔓貯水池の欺瞞(12)一戸あたり2億3000万円の事業
先の記事までは、美蔓貯水池の農家一戸あたりの事業費が1億5000万円だと書いてきました。これは「美蔓地区国営かんがい排水事業」の総事業費が330億円で、受益農家が215戸という数字から出したものです。この数字というのはかんがい事業と排水事業の両方が含まれているものでした。そして、排水事業はすでに終わっています。とすると、かんがい事業に限った場合、事業費はどうなるのでしょうか?
ナキウサギふぁんくらぶが情報公開で環境調査や費用対効果等の資料を取り寄せたところ、かんがい事業(頭首工、導水管、貯水池)のみの建設費は、農家一戸あたり何と2億3000万円にもなるということがわかりました。かんがい事業と排水事業では受益者が同じというわけではありません。かんがい事業に限ってみると建設費は270億円で受益農家は116戸だったのです。かんがい事業だけだとこんな莫大な費用になるというのですから、あっけにとられてしまいました。この数字では、とても費用対効果がある、などという話にはならないでしょう。この費用は国だけが負担するのではなく、北海道や受益地の市町村も負担することになります。道民や受益者ではない町民はどう思うでしょうか?
受益地では現在ももちろん農業が成り立っています。どう考えても「農業用水が足りなくてとてもやっていけない」という状況ではありません。それにも関わらず、農家一戸あたりに2億3000万円もの税金を投入するとは信じがたいことです。しかも、かんがい用水を使うためには農家が自前でスプリンクラーなどの設備投資もしなければならないので、116戸すべての農家が水を使うとは思えません。受益者とされている116戸の農家の実態もわからないのです。
開発建設部はこの6月からナキウサギの生息地の下にトンネル方式(シールド工法)で導水管を通す工事をする予定になっているとのこと。しかも、この時期はナキウサギの繁殖期です。事業者は何年もナキウサギの調査を行ってきたのですが、なぜナキウサギ生息地での工事を先にやるのでしょうか? そして、何のためのナキウサギ調査だったのでしょうか? まさか、調査を請け負った森林環境リアライズのためではないでしょうね。
これはあまりにも酷い、ということで、6月21日に日本森林生態系保護ネットワーク、十勝自然保護協会、ナキウサギふぁんくらぶの3団体が、工事の中止と凍結を求めて農林水産大臣に要望書を提出しました。
どう考えても、工事をすることが目的の事業としか思えませんね。
ナキウサギふぁんくらぶが情報公開で環境調査や費用対効果等の資料を取り寄せたところ、かんがい事業(頭首工、導水管、貯水池)のみの建設費は、農家一戸あたり何と2億3000万円にもなるということがわかりました。かんがい事業と排水事業では受益者が同じというわけではありません。かんがい事業に限ってみると建設費は270億円で受益農家は116戸だったのです。かんがい事業だけだとこんな莫大な費用になるというのですから、あっけにとられてしまいました。この数字では、とても費用対効果がある、などという話にはならないでしょう。この費用は国だけが負担するのではなく、北海道や受益地の市町村も負担することになります。道民や受益者ではない町民はどう思うでしょうか?
受益地では現在ももちろん農業が成り立っています。どう考えても「農業用水が足りなくてとてもやっていけない」という状況ではありません。それにも関わらず、農家一戸あたりに2億3000万円もの税金を投入するとは信じがたいことです。しかも、かんがい用水を使うためには農家が自前でスプリンクラーなどの設備投資もしなければならないので、116戸すべての農家が水を使うとは思えません。受益者とされている116戸の農家の実態もわからないのです。
開発建設部はこの6月からナキウサギの生息地の下にトンネル方式(シールド工法)で導水管を通す工事をする予定になっているとのこと。しかも、この時期はナキウサギの繁殖期です。事業者は何年もナキウサギの調査を行ってきたのですが、なぜナキウサギ生息地での工事を先にやるのでしょうか? そして、何のためのナキウサギ調査だったのでしょうか? まさか、調査を請け負った森林環境リアライズのためではないでしょうね。
これはあまりにも酷い、ということで、6月21日に日本森林生態系保護ネットワーク、十勝自然保護協会、ナキウサギふぁんくらぶの3団体が、工事の中止と凍結を求めて農林水産大臣に要望書を提出しました。
どう考えても、工事をすることが目的の事業としか思えませんね。
2010年05月03日
八ッ場ダム中止の署名のお願い
「八ッ場あしたの会」が、総理大臣と国土交通大臣に対し、八ッ場ダムの中止と地元住民の生活再建の早期実現を求める署名活動を始めました。
八ッ場ダムといえば、政権交代した民主党が中止を明言した無駄なダムの代表格のような存在です。それが、中止反対を求める勢力の動きによって、いまだに中止が決定されていません。今も税金をつかって自然が破壊されつづけています。
八ッ場ダムの問題点は、以下のページに詳しく書かれています。
八ッ場ダム計画の問題点
ネットでの署名も受け付けています。以下のページからお願いします。
署名にご協力ください
かけがえのない自然を子孫に残し、税金の無駄遣いをなくすために、署名に賛同できる方は是非よろしくお願いします。また、この署名に賛同される方は、ブログやメールを通じて広めてください。
八ッ場ダムといえば、政権交代した民主党が中止を明言した無駄なダムの代表格のような存在です。それが、中止反対を求める勢力の動きによって、いまだに中止が決定されていません。今も税金をつかって自然が破壊されつづけています。
八ッ場ダムの問題点は、以下のページに詳しく書かれています。
八ッ場ダム計画の問題点
ネットでの署名も受け付けています。以下のページからお願いします。
署名にご協力ください
かけがえのない自然を子孫に残し、税金の無駄遣いをなくすために、署名に賛同できる方は是非よろしくお願いします。また、この署名に賛同される方は、ブログやメールを通じて広めてください。
2010年04月15日
美蔓貯水池の欺瞞(11)ナキウサギ生息地での工事が本格化か
4月13日の北海道新聞十勝版に、美蔓地区の国営かんがい排水事業に関して、「事業費大幅削減 完成延期へ」という記事が掲載されました。
その記事によると、本年度の事業費として70億円を要求していたが「緊急性を伴わないものは優先しない」との理由で、28億5千万円に削減されたとのことです。予算が大幅削減されたということ自体は評価できるとしても、問題は28億5千万円の予算の使い方です。
道新記事によると「貯水池や本年度から始まるペンケニコロ川付近の導水路の敷設工事の一部(800メートル分)は、すでに予算を確保しているため工事を継続できる。しかし、ペンケニコロ川上流に設置する取水施設の頭首工や貯水池管理等の建設、周辺整備などは事費がつかなかったため、着工の見通しが立たないという」とのこと。
この「800メートル分」の導水管工事というのは、ナキウサギの生息している岩塊地の下に導水管を通す工事です。ここでは風穴現象が確認されています。帯広開建は「地上部を掘削せず、地下にトンネルを通す工法を用いるのでナキウサギ生息地そのものは壊さない」としているのですが、ナキウサギに影響を与えないなどという保証は何もありません。このかんがい事業の費用対効果や必要性が問われている中で、なぜナキウサギ生息地での工事を優先させるのでしょうか?
しかもナキウサギの調査報告書において、環境調査を請け負った森林環境リアライズによるデータ操作(「業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任」参照)が明らかになっており、「十勝自然保護協会」と「ナキウサギふぁんくらぶ」が質問を突き付けているのですが、帯広開発建設部は肝心なデータ操作問題をはぐらかして問題の本質に触れようとしません。都合の悪いことは「知らぬ、存ぜぬ」という態度です。
「緊急性を伴わないものは優先しない」としながら、もっとも懸念されるナキウサギの生息地での工事に歯止めがかけられず、さっさと予算がつけられてしまったことに憤りを感じずにはいらせません。もし事業が中止になった場合でも、貯水池本体は雨水や雪解け水などを利用した、いわゆる「ため池」としての利用も可能かもしれません。しかし、ペンケニコロ川の導水管工事はナキウサギ生息地をかく乱するだけでマイナスしかないのです。
この事業は、総事業費330億円で、受益農家は215戸。一戸あたりの事業費は1億5千万円です。しかも215戸すべての農家が水を使うというわけではなく、実質的な受益農家はもっと少ないでしょう。芽室町の美生ダムなどもあまり利用されていないそうですから。それに、施設の維持管理費もかかります。どうしてもかんがい用水が必要だというのなら、地下水や水道水を利用したほうがずっと安く済むのではないでしょうか。
費用対効果など何も考えず、「ダム建設=大型土木工事」を目的に計画されたとしか思えない事業です。無駄なダムやかんがい事業の見直しが行われていて、この先予算付けがどうなるのかも分からない事業に、今年も28億円もの税金が注ぎ込まれるのです。溜め息が出てきます。
その記事によると、本年度の事業費として70億円を要求していたが「緊急性を伴わないものは優先しない」との理由で、28億5千万円に削減されたとのことです。予算が大幅削減されたということ自体は評価できるとしても、問題は28億5千万円の予算の使い方です。
道新記事によると「貯水池や本年度から始まるペンケニコロ川付近の導水路の敷設工事の一部(800メートル分)は、すでに予算を確保しているため工事を継続できる。しかし、ペンケニコロ川上流に設置する取水施設の頭首工や貯水池管理等の建設、周辺整備などは事費がつかなかったため、着工の見通しが立たないという」とのこと。
この「800メートル分」の導水管工事というのは、ナキウサギの生息している岩塊地の下に導水管を通す工事です。ここでは風穴現象が確認されています。帯広開建は「地上部を掘削せず、地下にトンネルを通す工法を用いるのでナキウサギ生息地そのものは壊さない」としているのですが、ナキウサギに影響を与えないなどという保証は何もありません。このかんがい事業の費用対効果や必要性が問われている中で、なぜナキウサギ生息地での工事を優先させるのでしょうか?
しかもナキウサギの調査報告書において、環境調査を請け負った森林環境リアライズによるデータ操作(「業者のデータ操作に対する研究者と行政機関の責任」参照)が明らかになっており、「十勝自然保護協会」と「ナキウサギふぁんくらぶ」が質問を突き付けているのですが、帯広開発建設部は肝心なデータ操作問題をはぐらかして問題の本質に触れようとしません。都合の悪いことは「知らぬ、存ぜぬ」という態度です。
「緊急性を伴わないものは優先しない」としながら、もっとも懸念されるナキウサギの生息地での工事に歯止めがかけられず、さっさと予算がつけられてしまったことに憤りを感じずにはいらせません。もし事業が中止になった場合でも、貯水池本体は雨水や雪解け水などを利用した、いわゆる「ため池」としての利用も可能かもしれません。しかし、ペンケニコロ川の導水管工事はナキウサギ生息地をかく乱するだけでマイナスしかないのです。
この事業は、総事業費330億円で、受益農家は215戸。一戸あたりの事業費は1億5千万円です。しかも215戸すべての農家が水を使うというわけではなく、実質的な受益農家はもっと少ないでしょう。芽室町の美生ダムなどもあまり利用されていないそうですから。それに、施設の維持管理費もかかります。どうしてもかんがい用水が必要だというのなら、地下水や水道水を利用したほうがずっと安く済むのではないでしょうか。
費用対効果など何も考えず、「ダム建設=大型土木工事」を目的に計画されたとしか思えない事業です。無駄なダムやかんがい事業の見直しが行われていて、この先予算付けがどうなるのかも分からない事業に、今年も28億円もの税金が注ぎ込まれるのです。溜め息が出てきます。
2010年03月13日
永遠にお金がかかるダム
以下の数字が何を意味するのか分かるでしょうか?
桂沢ダム 4.7
金山ダム 4.0
大雪ダム 5.2
漁川ダム 4.5
豊平峡ダム 3.2
定山渓ダム 3.0
滝里ダム 5.6
忠別ダム 5.4
岩尾内ダム 3.5
鹿ノ子ダム 3.5
十勝ダム 4.2
札内川ダム 4.1
二風谷ダム 7.5
美利河ダム 4.8
これは、平成21年度のダムの維持管理費で、単位は「億円」です。
ダムは造るときにだけお金がかかるわけではありません。毎年こうした億単位の費用を維持管理のために投入しているのです。全国のダムの維持管理費を合わせたら、いくらになるのでしょうか。
ダムが土砂の流下を妨げて海岸浸食が進行すれば、さらにその対策でお金がかかり、海岸の自然も破壊されます。自然を破壊し、永遠に税金をつぎ込まなければならないのがダムという構造物です。このような費用をマスコミがきちんと公表しないことが不思議です。
ここに挙げた中でも飛びぬけて高額の維持管理費がかかっているのが二風谷ダムの7.5億円です。二風谷ダムといえば大量の堆砂で干拓地のようになっていますから、このままにしていたらさらに土砂が溜まり治水機能は低下するばかり。ダムにたまった大量の土砂の処理などにお金がかかるのでしょうか。また、二風谷ダムができてから水質が悪化し、水を引いている稲作農家ではお米の等級が下がってしまったそうです。こういうダムは撤去すべきです。さらに平取ダムをつくったら、過ちを重ねるだけです。
桂沢ダム 4.7
金山ダム 4.0
大雪ダム 5.2
漁川ダム 4.5
豊平峡ダム 3.2
定山渓ダム 3.0
滝里ダム 5.6
忠別ダム 5.4
岩尾内ダム 3.5
鹿ノ子ダム 3.5
十勝ダム 4.2
札内川ダム 4.1
二風谷ダム 7.5
美利河ダム 4.8
これは、平成21年度のダムの維持管理費で、単位は「億円」です。
ダムは造るときにだけお金がかかるわけではありません。毎年こうした億単位の費用を維持管理のために投入しているのです。全国のダムの維持管理費を合わせたら、いくらになるのでしょうか。
ダムが土砂の流下を妨げて海岸浸食が進行すれば、さらにその対策でお金がかかり、海岸の自然も破壊されます。自然を破壊し、永遠に税金をつぎ込まなければならないのがダムという構造物です。このような費用をマスコミがきちんと公表しないことが不思議です。
ここに挙げた中でも飛びぬけて高額の維持管理費がかかっているのが二風谷ダムの7.5億円です。二風谷ダムといえば大量の堆砂で干拓地のようになっていますから、このままにしていたらさらに土砂が溜まり治水機能は低下するばかり。ダムにたまった大量の土砂の処理などにお金がかかるのでしょうか。また、二風谷ダムができてから水質が悪化し、水を引いている稲作農家ではお米の等級が下がってしまったそうです。こういうダムは撤去すべきです。さらに平取ダムをつくったら、過ちを重ねるだけです。
2010年03月07日
証明できなかった三の沢の土石流
昨日は然別川三の沢の砂防ダム改修工事の件で、帯広土木現業所から十勝自然保護協会に説明がありました。三の沢砂防ダムの改修工事については「手放しで賛同できない砂防ダムのスリット化」でも触れていますが、魚が往来できるようにすることを目的に、ダムに幅1メートルのスリットを2本入れ、さらに土石流による巨礫の流下を防ぐためにスリットの部分に鋼鉄製の横棒を60センチ間隔で入れるという事業です。
十勝自然保護協会は、スリットを入れることには同意しましたが、鋼鉄製の横棒は不要であるとの見解を示し再考を申し入れました。しかし、土木現業所はあくまでも横棒が必要であるとして譲りません。その理由として、昭和56年(1981年)の土石流を引き合いに出してきました。このときに土石流が発生したので、再度の土石流の流下を想定して横棒が必要だというのです。ちなみに、このときは300年に一度といわれる大雨が降りました。詳細は、以下の記事参照。
然別川水系三の沢砂防ダム改修工事のその後の動き
私たちは現地を視察していますが、30年前に土石流が三の沢ダムの下流に達したという痕跡は確認できませんでした。なぜなら、ダム下流部の川岸には30年以上前から生育している樹木が茂っているのです。ダムの下流部にまで土石流が押し寄せていたなら、このような景観にはなっていないはずです。
そこで、昭和56年の土石流の写真を見せるように要求しました。その要求に基づいて開かれたのが昨日の説明会です。
で、提示された写真というのは砂防ダム付近から上流にかけて撮影した写真だけでした。しかも、砂防ダム付近の写真も土石流が押し寄せたという状況には見えません。ダムの下流の写真がないことについて質問すると、「見つからなかった」のだそうです。ダムの上流部しか写真を撮っていないなどということは考えられないので、紛失したか隠しているのかのどちらかでしょう。
そういえば、幌加の風倒跡地の皆伐問題でも、林野庁に伐採前の写真を見せてほしいと言ったところ、「写真はない」と言われました。皆伐をするのに写真を撮っていないなどということはあり得ません。お役所というのは、都合の悪い証拠写真は隠す習癖があるのでしょうか。
結局、土木現業所は「土石流が下流部に達したという証拠はない」、とあっさりと認めました。ところが、当会がダム下流部の河畔の写真を示して「30年前に土石流があった形跡は認められない」と主張しても、頑として「土石流が下流に達した」のであり、「横棒が必要」と主張して譲りません。しかし、そのような説明を誰が信じるというのでしょうか。すでに予算要求は通っているとのことですので、いまさら「土石流が下流に達していなかった」などとは決して言えないのでしょう。入札は今年の9月頃になるだろうとのことでした。
ところで、不可解なことを耳にしました。現在、三の沢砂防ダムには8メートルほど土砂が堆積しているとのことですが、スリット化に当たっては、堆砂を除去しなければなりません。その堆砂の処理について、環境省からは国立公園の外に運び出すようにと言われているのに、林野庁は国有林の外には出すなと言っているそうなのです。ダムを建設するにあたり、「土地は売ったが土は売っていない。土を国有林の外に運び出すなら土の代金を支払え」というわけです。ダムがなければ海に流れ下っていくはずの土砂ですが、ダムに溜まったら国のものであり有料だというのですから、林野庁の主張には呆れます。
必要だという証拠も示せない「スリットの横棒」に税金が使われるのです。いったい誰のお金で工事をするのか、考えてほしいものです。
十勝自然保護協会は、スリットを入れることには同意しましたが、鋼鉄製の横棒は不要であるとの見解を示し再考を申し入れました。しかし、土木現業所はあくまでも横棒が必要であるとして譲りません。その理由として、昭和56年(1981年)の土石流を引き合いに出してきました。このときに土石流が発生したので、再度の土石流の流下を想定して横棒が必要だというのです。ちなみに、このときは300年に一度といわれる大雨が降りました。詳細は、以下の記事参照。
然別川水系三の沢砂防ダム改修工事のその後の動き
私たちは現地を視察していますが、30年前に土石流が三の沢ダムの下流に達したという痕跡は確認できませんでした。なぜなら、ダム下流部の川岸には30年以上前から生育している樹木が茂っているのです。ダムの下流部にまで土石流が押し寄せていたなら、このような景観にはなっていないはずです。
そこで、昭和56年の土石流の写真を見せるように要求しました。その要求に基づいて開かれたのが昨日の説明会です。
で、提示された写真というのは砂防ダム付近から上流にかけて撮影した写真だけでした。しかも、砂防ダム付近の写真も土石流が押し寄せたという状況には見えません。ダムの下流の写真がないことについて質問すると、「見つからなかった」のだそうです。ダムの上流部しか写真を撮っていないなどということは考えられないので、紛失したか隠しているのかのどちらかでしょう。
そういえば、幌加の風倒跡地の皆伐問題でも、林野庁に伐採前の写真を見せてほしいと言ったところ、「写真はない」と言われました。皆伐をするのに写真を撮っていないなどということはあり得ません。お役所というのは、都合の悪い証拠写真は隠す習癖があるのでしょうか。
結局、土木現業所は「土石流が下流部に達したという証拠はない」、とあっさりと認めました。ところが、当会がダム下流部の河畔の写真を示して「30年前に土石流があった形跡は認められない」と主張しても、頑として「土石流が下流に達した」のであり、「横棒が必要」と主張して譲りません。しかし、そのような説明を誰が信じるというのでしょうか。すでに予算要求は通っているとのことですので、いまさら「土石流が下流に達していなかった」などとは決して言えないのでしょう。入札は今年の9月頃になるだろうとのことでした。
ところで、不可解なことを耳にしました。現在、三の沢砂防ダムには8メートルほど土砂が堆積しているとのことですが、スリット化に当たっては、堆砂を除去しなければなりません。その堆砂の処理について、環境省からは国立公園の外に運び出すようにと言われているのに、林野庁は国有林の外には出すなと言っているそうなのです。ダムを建設するにあたり、「土地は売ったが土は売っていない。土を国有林の外に運び出すなら土の代金を支払え」というわけです。ダムがなければ海に流れ下っていくはずの土砂ですが、ダムに溜まったら国のものであり有料だというのですから、林野庁の主張には呆れます。
必要だという証拠も示せない「スリットの横棒」に税金が使われるのです。いったい誰のお金で工事をするのか、考えてほしいものです。


